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2018年03月02日

名前:タチツボスミレなど

名前しらべ7

以前にも記しましたが 学名などは
植物の学名を読み解く―リンネの「二名法」(田中 學 著)を参考にさせていただいています。

一番よくみられるすみれ タチツボスミレ 立坪菫 
タチツボスミレ
坪というのは面積を表す単位として使われていますが 古くは宮内で中庭を表していたようです。
中庭でも見られる身近で立ち上がっているすみれということでしょうか。
タチツボスミレは有茎で背が高くなります。

万葉集(奈良時代の歌集)
高田女王(たかだのおおきみ)飛鳥時代?
山吹の咲きたる野辺のつほすみれ この春の雨に盛りなりけり
(山振之 咲有野邊乃 都保須美礼 此春之雨尓 盛奈里鶏利)

大伴田村家の大嬢(おおいらつめ) 奈良時代
つばな抜く、浅茅が原のつほすみれ 今盛りなりわが恋ふらくは
(茅花拔 淺茅之原乃 都保須美礼 今盛有 吾戀苦波)

中世
藤原定家 鎌倉時代
春雨のふる野のみちのつぼすみれ つみても行かむ袖は濡るとも
しばしとて出こし處もあれにけり 蓬のかれ葉董まじりに

藤原顕季 平安時代
きぎすなく岩田の小野のつぼすみれ しめさすばかりになりにけるかな
 
など 古くから歌われていました。他にツボスミレ(ニョイスミレ この名前については後日)という名のすみれはありますが小さく白い花です。 薄い色がついていると読まれている和歌があるのでタチツボスミレの方だろうといわれています。どちらも普通に多く見られるすみれですが タチツボスミレの方が数や見られる頻度は多いと思います。
タチツボスミレ

他にもたくさんあるので例えばこちらをどうぞ↓
やまとうた和歌歳時記壺菫 つぼすみれ
(自サイトすみれ想にもちょっとだけ羅列しただけのぺーじがあります

学名は Viola grypoceras A.Gray
種小名 grypoceras=曲がった角
え〜っ! どこのこと?
角と言えば 距?
タチツボスミレの距は曲がってるかどうかあまり気を付けていませんでしたが。見てみると
タチツボスミレ
そんなに曲がっていないような

タチツボスミレ
ちょっと曲がってる

タチツボスミレ
まあ曲がってる

唇弁の距があるのはすみれの特徴ですが よくみられるすみれはタチツボスミレなので細く長めな距が目についたのかもしれません。
*もっと目立って長〜くて曲がっているナガハシスミレというのもあります。

命名者 A.Gray=アメリカ合衆国の植物学者エイサ・グレイ Asa Gray (1810–1888)

******************
タチツボスミレは品種や変種がたくさんあるので その中から3種。
まず品種ふたつ
オトメスミレ 乙女菫
110430186otome.jpg

学名 Viola grypoceras A.Gray f. purpurellocalcarata (Makino) Hiyama ex F.Maek.
種小名は
purpurellocalcarata= 〔purpura〕紫色+〔-ellus〕薄い+〔calcaratus〕距(花被の一部が伸びた管状突起)のある ・・・ということ??
距が薄紫色ということでしょうか。
オトメスミレはタチツボスミレの花色が真っ白で距だけ色が残っているタイプです。

 *Hiyama=植物分類學專門家 檜山庫三(ひやまこうぞう)氏


そして 花がすべて純白のタイプは
シロバナタチツボスミレ 白花立坪菫
150423120sirotati.jpg

Viola grypoceras A.Gray f. albiflora Makino
albiflora=白い花の、  albi(白い)+flora(花)

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変種とりあえずひとつ

ケイリュウタチツボスミレ 渓流立坪菫
150423241keiryu.jpg

名前の通り渓流の増水すると水をかぶるような岩場にみられます。
それに対応して葉の形などが変化しています。
150423272keiryu.jpg
学名は Viola grypoceras A.Gray var. ripensis N.Yamada et M.Okamoto
種小名 ripensis=河岸に生ずる
和名と同じですね〜。


posted by vol | 名前の由来 | e r

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